食道がんとは
日本で年間約26000人が食道がんと診断されています。食道がん発生の主な要因は喫煙と飲酒であり、男性は女性の約5倍の罹患率となっています。
扁平上皮がんと腺がんに分けられ、日本では食道がんの9割以上を扁平上皮がんが占めています。腺がんは逆流性食道炎などによる慢性的な食道粘膜の炎症がリスクになるとされています。現在、逆流性食道炎の患者数が増加傾向にあることから、日本でも今後は腺がんの増加が予想されています。
食道がんの早期発見には胃カメラ検査が有効です。
症状
早期にはほとんど自覚症状を起こしませんが、進行すると以下のような症状が現れることがあります。気になる症状がありましたら、お早めに当院までご相談ください。
- 熱いものがしみるように感じる
- 胸のあたりに違和感がある
- 飲み込みにくい、違和感がある
- つかえ感がある
- 胸や背中の痛み
- 咳
- 声がかすれる など
原因
食道がんの主な原因は飲酒と喫煙です。飲酒した際に顔が赤くなる方は、特に発症リスクが高くなるとされています。アルコールを摂取すると、分解する過程でアセトアルデヒドという発がん物質ができます。飲酒で顔がすぐ赤くなる体質の場合、アセトアルデヒドの分解に時間がかかるため、食道がん、喉頭がん、咽頭がんの発症リスクが高くなります。他にも、飲食物が食道を通過しにくくなる食道アカラシア、熱いものを飲食する習慣などもリスク要因になります。
腺がんは、食道の慢性的な炎症によって生じるバレット食道から発展すると考えられています。逆流性食道炎を繰り返しているとバレット食道を起こしやすくなります。逆流性食道炎は治療をして、再発させないことが重要です。食道がんのリスクが高い方は、定期的な胃カメラ検査を受けましょう。
検査
胃カメラ検査は、胃だけでなく、食道や十二指腸の粘膜も観察できる検査です。当院では、FUJIFILM社製の最新式内視鏡システム「ELUXEO8000」を文京区内最速で導入しました。これにより、従来よりも精度の高い検査が可能です。疑わしい病変は、検査中にその場で組織を採取し、病理検査を行うことで確定診断を行います。当院では、内視鏡専門医の女性院長が丁寧な検査を行っています。内視鏡挿入時の不快感を大幅に抑えられる経鼻胃カメラ検査や、鎮静剤を使用して眠ったような状態で検査を受けることも可能で、患者様の心身への負担を最小限に抑える工夫をしております。胃カメラ検査でつらいご経験をされたことがある方、ご不安のある方も、どうぞ当院でご相談下さい。
治療
早期食道がんの場合には、心身への負担が少なく、回復も早い内視鏡による切除で治療が可能です。進行している場合には、状態に応じて化学療法・放射線療法・手術を組み合わせた治療を行います。
胃カメラ検査で食道がんが発見された場合、当院では連携している高度医療機関をご紹介して患者様が速やかに適切な治療を受けられるようにしています。必要な検査や治療などについても詳しくご説明していますので、どんなことでもお気軽にご質問下さい。
早期発見のために
食道がんを進行させてしまうと手術が成功しても食事や発声に支障が生じるなどQOLを低下させる可能性があります。早期に発見できれば、内視鏡による負担の少ない治療で完治できる可能性が高くなります。自覚症状がない段階で定期的に胃カメラ検査を受けることが早期発見に大きく役立ちます。食道がんのリスクが気になる場合にはお早めにご相談下さい。